エンジニアとして社会人1年目を迎えると、技術力を伸ばすことに注力しがちですが、同じくらい大切なのが「コミュニケーションスキル」です。チームで仕事をする以上、自分の考えや状況を適切に伝える力が成果に直結します。本記事では、エンジニア1年目の方に向けて、日々の業務で実践できるコミュニケーション力向上のポイントをまとめました。
報連相(報告・連絡・相談)の基礎を押さえる
報告:タスクの進捗や結果を簡潔に伝える。
例:「〇〇を実装しました。テストは△△の状態です。」
連絡:予定や変更点は早めに共有する。
例:「明日の打ち合わせですが、資料準備に時間がかかりそうなので午後に変更できますか?」
相談:行き詰まったら早めに声を上げる。
例:「この実装方法に悩んでいるのですが、AとBどちらが良さそうでしょうか?」
上司からしてみれば、「新人が何をしているのかわからないと、上司としても不安になるんです。でも、短くても『ここまで進みました』と伝えてくれると、安心して任せられる。小さな報告の積み重ねで信頼が生まれます。
わたしも新人の頃、進捗を上司に報告せずに自分だけで作業を進めてしまい、締切直前にバグが見つかって大慌てした記憶があります。そこで「毎日短くても報告する」習慣をつけるようにしました。
また、話をするときは「結論→理由→補足」の順で話すこと。シンプルに伝わりやすくなりますよね。
聴くスキルを磨く
- 相手の話を遮らず最後まで聞く。
- 不明点はメモをとり、あとで質問する。
- 「こういう理解で合っていますか?」と確認することで認識のズレを防げます。
上司からしてみると、復唱してくれる新人はすごく安心できます。こちらの意図が伝わっているか確認できるので、余計な手戻りも減ります。復唱は本当に大切ですよね。
書くスキル
- 結論を最初に書く。
- 箇条書きで整理する。
- 主語を省略せず「誰が」「何をするか」を明確にする。
テキストコミュニケーションは記録に残るため、読みやすさと正確さを意識しましょう。
上司からしてみれば、曖昧なメッセージだと何度も確認しなければならないので負担が増えます。最初に結論や期限を書いてくれると、一瞬で判断できるのでありがたいです。
わたしもやりがちなのですが、「やっておきます!」とだけ返信してしまい、「どのタスクを? いつまでに?」と聞き返されることがあります。「〇〇の修正を、今日中に対応します」と具体的に書くようにしたら、やりとりが格段にスムーズになりますよね。
技術的な会話をわかりやすくする
- 相手の理解度に合わせて専門用語を使う。
- 図やサンプルコードを交えて説明する。
- 「なぜその方法を選んだのか」を一言添えると説得力が増します。
説明のときに図を使ってくれると、すぐに状況がわかります。新人だからこそ、言葉だけでなく視覚的な補足をすると理解度が高まります。
先輩に意図が伝わらず、何度も聞き返されたりする人は、シーケンス図や概要図を自分なりに作って説明してみるのも自分自身の整理にもなりますし、相手に伝える力もついてきます。
チームに溶け込むちょっとした習慣
- 朝の挨拶やミーティングでの「よろしくお願いします」を大切にする。
- コードレビューやペア作業の際に「ありがとうございます」を忘れない。
- 雑談に少しずつ参加し、信頼関係を築く。
業務だけでなく、雑談のときに少し打ち解けられると一気に距離が縮まります。気軽に声をかけやすくなるので、チーム全体の雰囲気も良くなります。意外と上司は部下に対して、パワハラにならないかな?モラハラにならないかな?と気を遣っています。業務外の雑談も重要ですよね。
最初の頃は、雑談に入れず孤立気味になることもあるかと思います。自分から趣味のことを話すと意外と盛り上がったりするもので、そこから相談しやすい関係性を築けるようになったりもします。
成長のためのアクションプラン
- 毎日:1回は自分から報告や質問をする。
- 毎週:「伝わった/伝わらなかった」事例を振り返る。
- 毎月:先輩や上司に「自分の伝え方のフィードバック」をもらう。
フィードバックを自分から求めてくれる新人は成長が早いと感じます。安心して指導できるし、本人の意欲も感じられます。
先日も「前回のアドバイスを受けて、報連相のやり方を工夫してみたんです。最近の伝え方どうですか?」とダイレクトに確認してきた後輩もいました。そういう人はやっぱり成長意欲が高いと思うので、色々なことにチャレンジさせたいと思ってしまいます。
まとめ
新人エンジニアにとって、コミュニケーションは「仕事の成果を最大化するためのスキル」です。最初から完璧を目指さなくても、日常のちょっとした心がけで着実にレベルアップできます。報連相を徹底し、聴く力と伝える力を少しずつ磨いていけば、チームに信頼されるエンジニアへと成長していけるでしょう。
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